IT調査のIDC ジャパンがこのほどまとめた国内パブリッククラウドサービス市場予測によると、2023年から2028年までの年間平均成長率は17.2％で推移し、2023年の3兆2609億円から2028年に7兆2227億円の規模になると予測する。

　同社によると、国内パブリッククラウドサービス市場は、「為替を含む製品/サービスの単価上昇」と「クラウドマイグレーションの拡大」によって、2023年の成長率（27.5％）は2022年よる10ポイント以上も低下したものの、「順調に推移した」とする。とくに、クラウドマイグレーションの対象となるシステム領域やワークロードがWebシステムや情報系システムから基幹系システムまで多様化したことが、成長をけん引したという。

　2024年もクラウドマイグレーションが成長を支えるという。製品/サービスの単価上昇傾向は継続しており、「市場の成長を底上げする」と予測。加えて、DX（デジタル変革）やデータ駆動型ビジネスに関係する案件が増えることも、市場拡大につながるという。

　生成AIも国内パブリッククラウドサービス市場の成長をけん引する大きな要因となる。先駆的なユーザーは生産性向上などのPoCから本格導入を始めている。その事例には、翻訳やドキュメントの要約・キーワードの抽出、コンテンツ作成支援、プログラミング支援などがある。今後、ビジネス機能ユースケースや産業特化ユースケースなどへ拡大させるという。（田中克己）